多汗症について
多汗症と一口にいっても…
▮汗をかく部位
▮多量の汗が出る原因
こういった内容は人によって違います
はつまり、同じ多汗症という診断を受けても…
症状や治療方法は人それぞれ
まずは多汗症の定義や種類など基本的な知識を押さえましょう。
多汗症とは
私たち人間は周りの環境や身体の状態に左右されずに、常に体温を一定に保たなければ生きていけない
恒温動物です
しかし、生きていく上で人間は…
▮暑い日や体を動かす
▮物を食べてそれをエネルギーに変える
▮代謝を良くするときエネルギーが発生
こういったとき体温が上昇します。そんなとき熱し過ぎた身体の体温をコントロールするために…
汗の出番となります
①全身の皮膚表面にあるエクリン汗腺
②汗を分泌
③蒸発する際に気化熱を奪う
④体温を下げる
通常の流れが上記のようになりますが、人によってはこの体温調節に…
必要な量以上の汗をかいてしまい
日常生活に支障が出ていることがある
これを【多汗症】といいます
多汗症の種類
多汗症には…全身に多量の汗をかく
「全身性多汗症」
全身性多汗症の場合は、文字どおり全身に多量の汗をかきます。
手の平や足の裏など局所的に多量の汗をかく
「局所性多汗症」
局所性多汗症の場合は、手の平や足の裏、頭部や顔、腋(わき)などに汗をかきます。
▮掌蹠多汗症:手の平と足裏
▮手掌多汗症:手の平だけ
▮足蹠多汗症:足の裏なら
▮腋窩多汗症:腋なら
局所性多汗症の場合、多汗の部位によって病名が変わってきます。
原因はそれぞれで異なり、例えば全身性多汗症の場合は甲状腺機能亢進症や糖尿病などが、局所性多汗症の場合は精神的な緊張や末梢神経の損傷などがあげられます。
このように、何らかの疾患によって引き起こされる多汗を…
「続発性多汗症」といいます
その一方で、全身性多汗症、局所性多汗症ともに、原因が不明な場合もあります。これを
「原発性多汗症」といいます
多汗症の主な原因
先にも少し触れたとおり、汗症の原因はさまざまにあります。ここからは主な原因について、全身性多汗症と局所性多汗症とに分けてみていきましょう。
全身性多汗症の原因
- ▮温熱性発汗:運動、高温環境、発熱など
- ▮内分泌・代謝性発汗:更年期障害、甲状腺機能亢進症、糖尿病、肥満症など
- ▮神経障害による発汗:パーキンソン病など
- ▮薬剤副作用による発汗:向精神薬、睡眠導入薬、非ステロイド抗炎症薬、ステロイド薬などの服用
- ▮感染症による発汗:結核、敗血症など
- ▮特発性発汗:原因不明
局所性多汗症の原因
- ▮精神性発汗:精神的緊張によるもの(手掌、足底、腋窩など)
- ▮味覚性発汗:辛いものを食べたとき(顔面)
- ▮神経障害による発汗:胸部交感神経切除後など(体幹)
- ▮その他:皮膚疾患による局所多汗症など
局所性多汗症の最も多い原因は…
精神的緊張によるもの
また、手の平と足底以外の局所性多汗は神経疾患が原因のケースが多いです。多汗部位が左右非対称になっている場合は、さらにその可能性が高いといえるでしょう。
なお、この他に薬の副作用によって多汗が起こるケースもあります。抗うつ剤、抗不安薬、内服薬の非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド剤などを処方されている場合は、薬の影響の可能性が大きいので、一度かかりつけの医師に確認してみるといいでしょう。
これって多汗症?
以下の項目に該当する場合は、多汗症の可能性があります。
❒運動した後でもないのに汗をかく
❒足のニオイが気になる
❒衣服の腋の下に黄色っぽい汗染みができる
❒緊張すると手の平や腋の下に汗をかく
❒手の平が汗ばんでいることが多い
❒本を読んだりノートをとったりすると紙が濡れる
❒人から体臭や汗のニオイを指摘された経験がある
日常生活において上記のような症状をいつも感じる場合は…
重症の多汗症である可能性が高い
何らかの疾患による二次性の多汗症の場合、早急に原因となっている疾患の治療をしなければならないこともあるので、速やかに病院にかかりましょう。
また、これらに加えて…
▮生活リズムの乱れ
▮偏食
▮飲酒
▮喫煙
上記も多汗症を亢進させる原因になると考えられています。症状だけでなく、ご身の生活についても振り返ってみてください。
多汗症の予防法
多汗症の予防方法としては以下のようなものがあげられます。ただし、これらはいずれも、ストレスなどによって交感神経が優位になることが原因の発汗を防ぐための手段です。
神経の障害など、他の原因による多汗の予防にはなりません。
食生活の改善
食の改善として刺激物の過剰な摂取は控えたほうがよいでしょう、具体的に言いますと…
▮辛いもの
▮酸味の強いもの
▮カフェイン
▮コーヒー
▮紅茶な
こういった食品はできるだけ避けることをオススメします。
生活習慣の改善
▮適度な飲酒量を守る
▮喫煙を控える
▮十分な睡眠
▮適度な運動でストレス解消
こうした生活習慣の改善も交感神経を優位にしないため、多量の汗をかかないためには必要不可欠です。
多汗症の治療法
医療機関で採用されている多汗症の治療法にはいくつかの種類があり、原因や症状のレベルによって、対策が異なります。
外用薬を使用する
汗腺を塞いで汗の分泌を抑える「塩化アルミニウム液」を患部に塗るのは有効な方法です。腋にはそのまま塗るだけで問題ありませんが、手の平や足裏の場合は薬液を皮膚に塗り、さらにその上から被覆材で密着させることでより多汗症に対する効果が期待できます。
内服薬を使用する
保険適用の臭化プロパンテリン、適用外のオキシブチニン、コハク酸ソリフェナシンなどといった内服薬による治療もあります。ただし、効果の程度にばらつきがあったり、副作用があったりするので、医師や薬剤師の説明をよく聞いて選択するようにしてください。
漢方薬を服用する
多汗症の治療では、漢方薬が使われることもあります。どの種類の多汗症かによって処方される薬は異なりますが、例えば防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、多汗症改善の効果・効能が認められており、OTC(一般用医薬品)として販売されています。他にもその人の体質に合わせて、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)や竜胆潟肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、大承気湯(だいじょうきとう)などが使われることもあります。
ボツリヌスの注射
ボツリヌス菌の毒素を患部に注射し、汗を抑える方法です。欧米では腋の局所性多汗症の治療によく用いられます。日本では腋窩以外は保険適用外の治療になるため、費用や効果を十分に確認の上で選択しましょう。
イオントフォレーシス
イオントフォレーシスとは、発汗の多い手の平や足の裏を、水を貯めた容器に浸し、10~20mAの電流を約30分間流す保険適用の治療です。これを8~12回ほど行うと、多汗症の改善に効果が期待できるとされています。
交感神経遮断術
交感神経の働きによる多汗を抑えるために、胸部の交感神経を切除、もしくは焼くなどする治療法です。かつては大がかりな手術が必要でしたが、最近では腋の下を数ミリ切り、そこからカメラを入れて手術することが可能になりました。だいたい10分ほどで完了する場合がほとんどです。
なお、神経障害や糖尿病をはじめとした疾患が原因の場合は、ここまでご紹介した治療法を実践するだけでなく、原因にアプローチする根本的な治療をしなければなりません。多汗が体からのSOSサインである可能性は大いにあるので、異常を感じたらまずは医師に相談することをおすすめします。
また、多汗症によって人とうまくコミュニケーションをとれないほどの状態に陥ると、発汗に対する恐怖や不安を感じ、情緒不安定になるリスクもあります。発汗による精神的ストレスを感じている場合は、その旨も医師に相談し、薬を処方してもらうなどするとよいでしょう。
まとめ
まとめるの面倒くさかったんやろ?
せやね…専門用語多すぎてなんか萎えた
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